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【天穏の会~営みの酒~】ありがとうございました

6月の終わり、島根の板倉酒造・小島達也杜氏が宮酒にやって来ました。
「田んぼの目の前のひっそり佇む小さな酒屋」ですが、日々お酒と通して暮らしていると、
時々お酒の神様がギフトをくれます。この日はまさにそんなギフトの一日でした。

2022年、店主が以前から気になっていた板倉酒造さんへ伺いました。
その時私たちを案内してくださった小島杜氏は、スケッチブック片手に現れ、「なぜ酒を造ると思いますか?」という質問から始まり、スケッチブックに描く杜氏の思想や想いはとても印象的、かつ、気づきでもありました。
その時のスケッチブック、頂いてくればよかったなーと思い月日が経ったのです。
そして今回、3年越しにスケッチブックを頂戴しました。思いを言霊にすると実現するものです。

お話の中にあった「饗宴」。
酒、食、唄、踊り、遊び、この営みが未来をつくる。とても印象的なお話でした。


小島達也 醸造哲学サケノートより一部抜粋
「饗宴では御神酒のほかに他の作物を使った地域の料理、踊りや歌、遊びや芸が繰り広げられます。
これは今を生きる人だけで楽しむのではなく、神への接待贈与でもあります。
人は円になってぐるぐると歌い踊ります。その中心は神様の世界として火や酒や墓地があったと
言われます。現代では盆踊りの太鼓が中心に来ていますね。」

「饗宴によって人と神、または現在と過去が協力して未来を造ります。未来とは米と子どもです。
祭りのクライマックスでは現実的な酒と食と滋養強壮と、神々の力による謎の高揚によって
男女は呼び合い未来が生まれます。その場には過去も現在も未来も同時に存在する。
私たちはこの大いなる営みの一部である。」

「饗宴によって自他と神々と同化する。酔いと高揚によって、視覚や聴覚が麻痺し、
言葉や存在、時間感覚を失ってしまう。名前も肩書もなく、時間もない。
それが母胎や空や宇宙のような、すでに有るものの一部としての感覚を人々に
与えたかもしれません。孤独という哀しみから遠い場所に行くことが出来ますね。」


小島杜氏の日本酒に対する哲学は、造りに携わるようになって、そもそも日本酒とは?から始まったとのこと。
「日本」「酒」=「日本酒」。
「酒」に関しては、造りや技術を皆追求するが、小島杜氏は、「日本」の方が気になったとお話してくれました。
(逆に言うと、なぜ誰も「日本」の方を追求しなかったのかな、、、とも思うのですが。)


「日本という営みが酒になったものは日本の酒であるという思いが込められています。」
※小島達也 醸造哲学サケノートより一部抜粋

小島杜氏のお話を聞いていると、自分はこの壮大な宇宙のほんの一部、ちっぽけなものだと思います。
ちっぽけはちっぽけなりに、きっと役割がある。みんなそれぞれ役割があると信じてます 。
「饗宴」酒、食、唄、踊り、遊び 、で言うならば、
えっと、私は「唄」と「遊び」を役割分担とさせて頂きたい!とここに記しておきます。笑。
宮酒店主は「酒」と「食」でお願い致します。あとは「踊り」を探しましょう!

お昼間から真っ暗闇になる夜まで、ありがとうございました。
またお酒の神様からギフトが頂けるよう、日々コツコツ進みます。
皆さま、是非お付き合いくださいませ。

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