酒屋の嫁ブログ

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【酒屋の嫁事情①・墓仕舞い宇和島の旅】

私は「宮川」ですが、以前は「薬師寺」でした。
5年前に(ユーモアたっぷりにw)お空に逝ったお父さん。代々眠っている宇和島のお墓には入らず、
大磯の東光院 @toukou.in を選び今も心地酔く眠っています。

そう、この5年間、薬師寺はお墓が2つあった訳です。
2017年、お父さん終活中に「お婆ちゃん(父の母)が三十三回忌の年(2023年)に
宇和島のお墓を墓仕舞いしようと思うけど、きっとお父さん間に合わないwと言うか、
居ないからお願いね。お寺さんにはお手紙出したから、あと宜しくね!」と私に言っていた。

鮮明に覚えてるあの日から、月日なんてもちろんあっと言う間にすぎる訳で、
今日に至っております。

お父さん薬師寺10代目。本来なら私(長女)が11代目、となるべきか。
でも両親から「薬師寺継ぎましょう!」という教育は一切受けてなく、私も妹も自由奔放に
娘時代を過ごしておりました。
今となれば有り難いと思いつつ、今さらながら申し訳ないと思いつつ。
なので、今回の墓仕舞いは魂を込めて向き合おうと思った訳です。
(魂をどうやったら込められるのかは分からないのですが、そのくらいの気持ちがあるという事です。)

約30年前におばあちゃんの納骨に行った以来の宇和島訪問。


宇和島を言葉で表すと「こじんまり」。
私は「こじんまり」が性に合っていて、何故か居心地がいい。
宇和島城をはじめ、きさいやロード(「きさいや」とは南予の方言で「来てくださいね!」の意味)
という名の商店街、色々なモノやコトが大きすぎず、派手過ぎず、こじんまり。
こじんまり、最高です。

薬師寺家のお墓があるのは選佛寺
「墓仕舞い」にあたって右も左も分からない私に、とても丁寧に教えてくださったご住職。
分からないことは、何歳になったって聞けばいいのだ。

ホテルを出てナビでは徒歩15分のところを何故か30分もかけて到着。
逆に30分かける方が難しい。
高台にあるお寺に向かって小走りで坂を上り、肩で息をしながらおばあちゃんの三十三回忌法要へ。
そしていよいよ、墓仕舞いですよ、お父さん。

高台に連なる墓地たち。
宇和島城、宇和島市街が良く見える。ご先祖様たちはこうして見守ってくれているんだなとしみじみ。

約30年ぶりに薬師寺家のお墓の前に立ち、
自然と出てくる言葉は「ありがとう」でした。
おばあちゃんの閉眼供養をし、お墓を開けてみると中にはおばあちゃんの骨壺のみ。
代々は土葬だったそうで、土の中で眠っているようです。
永代供養で合祀墓へ移すため、骨壺を出そうとするとご住職が「骨壺の横に何かあるぞ?」と、
それはおばあちゃんの眼鏡でした。
きっと骨壺から脱出を試みたにちがいない。w
おばあちゃん子だった私は、その懐かしの眼鏡発見で涙ぽろぽろ。
鼻をすすりながらの永代供養となりました。

薬師寺家と記してある墓石は、合祀墓の横に置いてくださるとのこと。
よく見ると、いくつもの墓石たちが合祀墓近くに集まっている。
「いつでもお参りに来てくださいね。」と温かいお言葉を頂戴しました。
遠い宇和島のお墓ながら何となく墓仕舞いって最期のお別れみたいで寂しいものだな、
と思っていた気持ちが、ご住職の魔法の言葉ですーっと安らぎの気持ちに変わりました。

そしてご住職より、
「薬師寺家を永代供養しましたという印として霊璽(れいじ)舎をお作りしますよ。
お名前はどうしますか?」とおしゃってくださったので、
何の迷いもなく「ありがとうございます。宮川綾です。」とお伝えしました。
当日、こじんまりが好きな自分の身の丈とはちょっと違う、
立派な 霊璽(れいじ)舎 を拝見し恐縮した次第です。

そして身内から言われ気づいたのです。
私は母の代理であって、本来 霊璽舎の 名前は母の名前であるべきだった!という事を。
・・・穴があったら入りたい。

宇和島訪問後、大磯の東光院に墓仕舞いのご報告をしに行った際、
その「(ある意味)違う爪痕残してきました」話をしました。
すると「気にすることはないですよ。お母さんはお嫁さんの立場だし、
直接血が繋がってるお孫さんの綾さんの方がある意味自然できっと喜んでますよ。」と。
ここでもまた、魔法の言葉ですーっと安らぎの気持ちに変わった訳です。

「墓仕舞い」なんて、本当は向き合いたくない。
お空(天国)事情などなるべく考えたくないし、見て見ぬふりをしたい。
でも父の死をきっかけに、ゆっくりゆっくり向き合って、
死生観などはなかなか持てないものの、お空に逝った後も私に学ぶ機会をくれた父に感謝。
そして宇和島のお酒と肴はやっぱり最高でしたよ!お父さん!

「魂を込める」とは「ありがとう」と思うこと。
100万回言った宇和島の旅でした。

ありがとうございました。

※宇和島訪問、墓仕舞いの様子はInstagramのハイライトに残してあります。

※【酒屋の嫁事情②・宇和島墓仕舞いの旅/自分のルーツを探る】に続く(つもり)

そして5月。
選佛寺ご住職から、墓整備のお写真と先祖の過去帳が届きました。
ありがとうございます。

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